〈DV加害者の改善〉

DV(ドメスティックバイオレンス)関係の改善について、通常は被害者の立場で心理カウンセリングなどの改善を行うことが多いかと思います。

まず現実的な危険な状況からの脱出(実家や友人の家、シェルターなど安全が確保できる場所への避難)、DVで心に負った傷や複雑なDV関係の客観的な理解などを促進するなどさまざまなアプローチをすることで被害者は「自分」をとりもどしていきます。

一方で、DV加害者の方も「自分ではどうしようもない、なぜかわからないけれど怒鳴ったり、怒りで激昂したり、暴力をふるったりといったDV加害行為が止められない」と思い、改善されようとされる方もいます。

こういう意欲のある方の場合(最初からでなく、途中から「自分をコントロールしなきゃ、DV行為を止めなきゃ」と思う方の場合も)、きちんと自己をみつめていき、改善のプロセスを経れば確実に改善していきます。

時間はある程度必要です。

なぜならばDV加害者もまた、かつては親からの虐待や学校でのイジメなど心に深い傷を負っているためです。

その負の記憶や感情が無意識にあり、いわば「八つ当たり」的にDV加害行為をしてしまうことが多いからです。

また共依存関係に陥っている場合は、その部分の改善も必要です。

もちろんDV加害者すべてがこのケースにあてはまるとはいえません。

パーソナリティ障害(人格障害)やサイコパスのカテゴリーに属する人の場合は虐待やイジメによる心の傷ではない別の原因でDV加害行為を行っている可能性が高いからです。

しかし、こういう人たちはみずから自分を改善しようとはしません。

自分を改善したい、DVをやめたい。

そう考えて、実行にうつせる人は、改善できます。

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