〈ひきこもりの改善〉
ひきこもりの改善には、いくつかの方法があります。
一つは、とにかく外に行く(学校や会社などに行く)。
これは心理療法でいえば、行動療法に該当するでしょう。
至極単純ですが、実際にその場に行ってしまえば心に抱えていた不安は杞憂にすぎず、思い過ごしだったとしてその後も継続的に外部と関われることも少なからずあります。こういったことは学校生活、部活動、スポーツなど経験された方も多いのではないでしょうか。
ただこの手法が功を奏すのは、ごく初期の段階が多いように感じます。
ひきこもり期間が長ければ長いほど、ひきこもりの方が抱えている不安は大きく深いものになっている印象があります。ひきこもり期間そのものがじつはさまざまな不安をじわじわと増大させてしまっているのです。
その場合は、ほかの手法が必要でしょう。
一つは、認知の部分に働きかける手法です。
認知というのはごく簡単な言葉にするならば「ものの受け取り方」や「考え方」といったことになるでしょうか。(ここでは「考え方」とします。)
ひきこもりの方の「考え方」には、ひきこもり特有の考え方があります。
一言でいえば、極端な考え方です。
その極端さが、自分を苦しめ、かつ「ひきこもり」という行動しかとれなくさせている場合が多くあります。
そこを変えていくのです。
手法としては認知療法になりますが、通常のカウンセリング(来談者中心療法など)でもそこに焦点を当てていくこともあります。
Be-ハートではひきこもりの改善の場合、ここにまずは力を入れていきます。
その理由としては、後述する手法に比べて期間が短く、かつクライアントの方の精神的負担も軽いことが多いからです。
ただ、どうしてもその先に踏み込まざるをえないケースもあります。
精神分析的に過去へと遡り、その問題について解決しなくてはならない場合です。
しかし、その場合治療期間は短くても2,3年、長ければ7,8年以上となります。
ひきこもりの方、とくに一定年齢以上の方は現実の生活の問題も多くはらみますから、Be-ハートではまずは認知的アプローチを行います。
もちろん初期にはじっくりとお話を伺いますし、その方に合った手法を選択いたします。