〈パニック障害〉

パニック障害という名前は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

芸能人などもこの病で悩んでいる人も多いようです。

では、パニック障害というのはどのような病気なのでしょうか。

症状としては強くて突然起こる不安の発作(パニック発作)が特徴です。

パニック発作を起こす場所としては駅、地下鉄構内、スクランブル交差点などをよく聞くかと思いますが、必ずしも特定の場所とは限らなかったり、最初は限定的な場所だったのに症状が進行するのと同時に発作を起こす場所も増えてしまうこともあります。

また発作を起こすきっかけや原因も特定できないことが多いとされています。

発作を繰り返していくとまたパニック発作を起こすのではないかと不安になり(予期不安)、そのうちにパニック発作を起こした場所はもちろん起こしやすいと感じる場所にも行けなくなる(広場恐怖)状態になり、外出など社会行動ができなくなっていきます。

原因はまだ特定されていないようです。

心因説も含めて多くの説がありましたが、脳内物質(ノルアドレナリン、セロトニンなど)の分泌異常などの脳の機能不全が有力な説でしょうか。

しかし、一方で直接の原因ではないにしてもパニック障害を発症する人の心因的な特徴もあるように感じます。

ものごとの受け取り方や考え方が「几帳面」「生真面目」「責任はすべて自分が負いがち」「自分よりも他人を優先する」など、自己評価が低すぎると感じるほど「自分を殺す」傾向があったり、また人間観・人生観・世界観などが否定的・悲観的だったりもします。

そこでBe-ハートでは、この認知部分やスキーマの改善を重視しています。

ある土地を畑にして作物を育てようとするのにうまくいかない場合を例にしてみましょう。

そもそもその土地には栄養素が足りない(脳の機能不全)のが原因だとします。

単純に土壌に栄養素が足りないだけならば肥料を補充すれば改善できるでしょう。(薬物療法)

しかし、うまくいかないケースもあります。(パニック障害では、再発を繰り返して5年、10年と苦しまれている方もいます)

この場合は土壌の栄養不足だけに焦点を当てるのではなく、その奥の根本原因にも目を向ける必要があります。

じつはこの土壌は砂礫層が厚くて水はけが良すぎる。そのために雨が降るたびに栄養素もごっそりと水に流されてしまっている。などという原因があるのかもしれません。その場合にはいくら肥料を撒いても効果がきちんとあらわれないでしょう。

まずは砂礫層を取り除く、あるいはその上の層に粘土質の土の層を作るなどの改善をすれば、その後撒いた肥料はきちんと効果を発揮するはずです。

この前半部分の改善が、認知行動療法を中心とした心理療法での改善となります。

具体的にはパニック発作を引き起こしやすいものの受け取り方や考え方(認知)の改善、人間観や世界観、社会観といった部分の改善です。

再発を繰り返す方はもしかしたらこの部分の改善が不十分なのかもしれません。

また自己流でエクスポージャー法(暴露療法)をした結果、むしろ症状が悪化してしまう方もいます。

これは本来、段階的に無理なく行うべきものなのに早く良くなりたいと思って無理をした結果、パニック発作を繰り返してかえって負の強化をしてしまい予期不安を増大させてしまう悪循環に陥ってしまうことなどから起こります。

可能ならば投薬によりパニック発作を起こしずらい脳の状態にして暴露療法はおこなった方がよいのは当然です。

かえって症状を悪化させないためにも専門家の関わりはあったほうが結局は早道となるでしょう。

パニック障害は脳が誤作動を起こしている状態といってよいでしょうか。

当ルームではエクスポージャー法(暴露療法)をメインにして、その他心や生活を整えていくなど脳の誤作動が起きないようにアプローチしていきます。

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