〈再発防止〉

うつ病やパニック障害は再発してしまうことが多いように感じます。

それは現在のところこれらは治癒するのは難しく、寛解(いつ再発するかはわからないものの日常生活は営めるぐらいには回復)どまりとされているからです。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)など従前のものと比べて副作用も少なく、効果も高いとされている薬も開発されているものの再発のリスクは常にあるといってよいのでしょう。

心理療法においてもこの再発のリスク軽減は重要な要素です。

認知行動療法においては認知の歪みの修正、エクスポージャー法(暴露療法)からさらに深い部分のスキーマというその人の人生観・人間観・世界観といった部分の修正を行うことでより再発リスク防止の効果は高まるでしょう。

しかし、ここの部分はまだ「考え」と「感情」でいえば、前者の部分が大きいといえます。

スキーマの修正をしても再発を繰り返す場合、当ルームではさらに深い部分、過去の記憶や感情(うつやパニック障害の原因因子になりうるもの)にも焦点を当てます。

その場合は来談者中心療法をベースに、催眠的な瞑想法などを併用し、うつやパニック障害になりやすい心の部分を改善します。

農業に例えるならば、乾燥しやすい土壌ならば、まずはそのことを自覚して水路を築くようなものです。

また逆に水はけが悪くて土壌に水分がたまりやすいならば、地面を掘り起こして砂利や砂などを敷きつめて水はけを良くするような形をとります。

いずれにせよまずは現在の状態・状況を正確に認知・把握して、その人に合った状態に改善します。

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